ÖSD試験ってそもそも何?
ゲーテの試験とは違うの?
わたしもオーストリアに引っ越すまで聞いたこともありませんでした…
オーストリアでは割とメジャーな語学試験です。
2020年7月に、ÖSD試験(C1)を受験してきました。
本記事では、ÖSD試験について説明したいと思います。
本試験を受けるかもしれない方はぜひ、参考にしてみてくださいね。
ÖSD試験とは
ÖSDのサイトにはこのように記載されています。
The ÖSD provides a wide range of internationally recognized exams that are accepted worldwide by universities, employers, professional bodies and governments. The exams are based on the guidelines of the Common European Framework of Reference for Languages (CEFR), starting at A1 for beginners through to C2 for professional language skills at the highest level.
ÖSDは、大学、雇用主、専門機関、政府によって世界中で受け入れられている、国際的に認められた幅広い試験を提供しています。試験は、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のガイドラインに基づいており、初心者向けのA1から始まり、最高レベルの専門的な言語スキル向けのC2まであります。
日本の独検などは海外における認知度が高くないと思いますが、グローバルでも通用する試験だということですね。
日本での受験も可能なようですが、開催日時が少なめとなっています。
ちなみにÖSDの名前の由来は、Österreich、Schweiz、Deutschlandの頭文字なんですが、この順番がなんともオーストリアらしいです。
ドイツ語の試験として有名なものに、ゲーテ(Goethe)、telc、Test DaFなどがありますが、それらに比べると少しマイナーかも知れません。
個人的には、Sprechenに関してはÖSD試験の方が若干やっかいかな、と感じています。
レベルは?
ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に基づき、A1〜C2までの6つのレベルがあります。
受験費用は?どこで受けられるの?
著者はこちらのCIB Sprachschuleにお世話になりました。費用は190€でした。
受験費用は語学学校によってまちまちなようです。
試験内容
ÖSD試験はGoethe Zertifikatなどと同様、Lesen、Hören、Schreiben、Sprechenの4つの部分に分かれています。
Lesen、Hören、SchreibenはSchriftliche Prüfungとして、
SprechenはMündliche Prüfungとしてそれぞれに足切り(50%)があります。
合計60%以上で合格です。
対策方法
結論から書きますと、
こちらの参考書を使って実際の試験形式に慣れるように演習をする、
これが一番です。
ÖSD Zertifikat Übungsmaterialien
Band1 とBand2があります。
Band2のほうが分厚くて、練習問題のセットが4セット。(Jugendlliche(青年用)が2セット、普通用が2セット)Band1は普通用が3セット収録されてます。
コチラの教材、とてもおすすめなのですが、日本では購入できないようです…。
ModelsatzはÖSDのサイトからダウンロードできます。
また、著者は語学学校の5日間試験対策講座という、超付け焼き刃的な試験対策講座に参加しました。そのクラスではこの教材を用いて授業が進められていきます。当時生後3ヶ月の娘がいたため、笑いあり涙ありでしたが、独学ではモチベーションが保てず演習量が確保できなかったと思います。非常に良い体験になりました。
Lesen
①長文(2ページ分、長い)読んで、選択肢を選ぶ問題
②新聞の記事6こくらい読んで、適切な小見出しを選ぶ問題
③段落並び替え
④穴埋め
③と④がやっかいです。
③は1つ間違うと正答率がガクっとさがってしまいます。
④は前後の文脈から、空欄に当てはまる単語を自分で書きます。
まず選択ではないし、綴り間違えちゃいけないし、イディオムを知っているだけでなく、名詞の性をしっかり覚えていないといけなかったり、動詞の活用が問われたり…
かなり苦戦したのですが、結局やはり問題集を何周もするのが一番いい勉強法だと思いました。
頻出表現はあるので、基本をとりこぼしなく。新出の表現は諦めてました。
また、出題される文章が、新聞の記事であることが多いので、できるだけ新聞を毎日読むようにしてました。
Hören
①20分くらいのラジオ番組(長い)を聞いて、複数選択で答えを選ぶ問
②講義を聞いて、メモの穴埋め問題
ちなみに2020年秋以降は問題形式が変わり、最後に
③講義を聞いて、複数選択で答えを選ぶ問題 が追加されました。
③のほうが回答の選択肢が短くて単語レベル、①は文章や節を選びます。
著者にとっての難関は②…自分で単語を記載するので、綴が間違っていたらもちろん✗だし、
なんとなくでは正解できない。
模擬練習では合格点に達しないことも割とありました。
対策としては、とにかく、ドイツ語を聞きました。
Podcastで、Rolling Sushiはよく聞いていました。
日本のニュースをドイツ語で討論していて、SprechenやSchreiben(母国の現状を紹介しなくてはならない)の対策にも役立ったと思います。
Sumikaiのサイトもおすすめ。
やっぱり日本のことだとある程度興味持てるし、背景知識があるので、理解しやすいです。
Forschung Aktuellは、②に似ている形式のSchnittがあるので、たまに聞いてました。
Schreiben
①フォーマルな手紙
②与えられたグラフに関する考察
(↑他にも、文章を読んで考察っていうのもあり、選択形式となっています。先生曰く、グラフが一番ラクとのことで、これしか対策してません。)
Schreibenは、語学学校の先生に提出したり、義家族に見てもらったりしました。
ハンドアウトが役立って、定型的な表現は丸暗記!
綴りもめちゃくちゃ間違うので、やっぱり書いてみるのが大事なんだと実感しました。
Sprechen
①電話対応(予約時間の変更等、お願い事)
②ディスカッション(記事に合う写真を2つの中から選んで、それについて議論する)
③与えられたグラフ、記事について7分間スピーチ、その後質疑応答3分
準備時間は15分です。
①②の対策としては、旦那に協力してもらって、ひたすら仮想練習していました。
「僕だったらこう答えるかな〜」という感じでもらえるアドバイスが大変役立ちました。
(自分で思いついた表現は不自然な可能性高い)
③は流石に時間がかかるので、朝の勉強時間のときに、問題集にあるテーマについては、時間を測ってスピーチしてみるっていうのをやっていました。やらないよりはマシですが、やはり校閲してもらわないといけなかったな、と後悔しています。
とりあえず頻出テーマ(問題集に出てるもの)については一度シュミレーションしました。
準備したテーマはこんな感じです。
- 環境問題
- 食生活に関する意識(ベジタリアンとか、食品の選び方とか)
- 美容整形についての考え
- 信用できる情報源(ネット、新聞?)
- 若者と音楽
まとめ
ÖSD試験は日本ではあまりメジャーではありませんが、語学力の証明に非常に役立つ試験です。
問題形式には人によって向き不向きがあると思いますので、ドイツ語の試験を探している方、少しサンプル問題を覗いてみてはいかがでしょうか。
コメント