Der Anton? Die Ada?
Die Mushoko muss noch ihr Deutsch verbessern!!
(むしょこはドイツ語もっとうまくならないといけないね!!)
いやいや、文法間違ってるやん!!
こういう発言をとても良く耳にするのですが…
英語だとありえないことが起こっているのがおわかりでしょうか?
そう、Mushokoという固有名詞(人の名前)に、die(英語で言うところの定冠詞the)がついているんです。
中学時代にに耳にタコができるほど聞かされていた、固有名詞には冠詞をつけてはいけないという法則を見事にぶち破ってきました。
これ、オーストリアでは当たり前に行われています。もちろん、男性の名前にはder、女性にはdieをつけます。FrauとかHerrがついているときも、その前につけて、「Die Frau Schmid」とか言ったりします。
旦那に聞いたところ、derやdieをつけることによってていねいな言い回しになるのだそうです。
といっても、家族や親しい友人に対しても使うので、日本語の丁寧語のような位置づけではなく、もはや礼儀のような感じになっています。
別に忘れてしまっても問題ないんですが、日常会話ではほぼ100%、人の名前の前に定冠詞をつけて話されています。
もちろん、格に合わせてder、des、dem、denと変化していきますよ。
そもそも定冠詞の変化ってややこしいので、固有名詞の時には定冠詞の変化を考える必要がなくて楽チンだな〜っと思っていたら大間違い。
定冠詞の変化からは逃げることができません…
ちなみに、著者はオーストリアに引っ越す前、ドイツのミュンヘンで1年弱くらしていたのですが、そこでも割と耳にしました。いったい、どのくらいのドイツ語圏で話されているのでしょうか、気になるところです!
もう慣れましたが、ドイツ語学校では教えてくれなかったのですごく戸惑いました。
hat gestanden? ist gestanden?
Die Kleine ist gestanden!!
(娘ちゃんが立ってたよ!!)
いやいや、istじゃなくてhatでしょう!!
ドイツ語学校で勉強した、完了形の作り方です。
過去分詞+haben/seinで完了時制にする。大体の動詞はhabenと組み合わせるが、動作を表す動詞(始点と終点が異なるもの。例外:bleieben)は、seinと組み合わせる。
stehen(立っている)は、動いていないので、もちろんhaben、と勉強しました。
でも旦那はist gestandenだと言いはります。ちょっともやもやした気持ちになりながら、調べてみたところ…
Die Verben “stehen”, “liegen” und “sitzen” drücken keine Bewegung aus, daher werden sie standardsprachlich mit “haben” konjugiert: Ich habe gesessen, ich habe gelegen, ich habe gestanden.
In Süddeutschland und in Österreich sagt man dennoch “Ich bin gesessen”, “Ich bin gelegen” und “Ich bin gestanden”.
“stehen”、”liegen” 、”sitzen”は動作を表す動詞ではないので、habenと組み合わせられる。
https://www.spiegel.de/kultur/zwiebelfisch/zwiebelfisch-abc-gestanden-haben-gestanden-sein-a-346929.html
しかし、南ドイツやオーストリアでは”Ich bin gesessen”、”Ich bin gelegen” 、 “Ich bin gestanden”と言われる。
なるほどすっきり〜!!
要は、方言、風習みたいなものだったということですね。
どちらも正解ということですね。オーストリアではist gestandenといったほうが正しいのですが、もし間違いだと指摘されたらこう言い返しましょう!
それ、方言だから!
標準ドイツ語ではhat gestandenが正しいから!
オーストリアドイツ語、奥が深い。
ここで紹介した内容以外にも、ドイツで話されているドイツ語と、オーストリアのドイツ語は少し違うんです。単語自体が違ったり、名詞の性が違ったり…
もちろん発音も違って、訛りがきついと未だに理解できません!
他にもオーストリアのドイツ語を紹介していきますので、お楽しみに♪
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