Nostrifizierungとは
Nostrifizierungとは、外国の試験証明書、卒業証書などの承認のことです。つまり、日本で取った学位をこちらで認証させることを意味しています。
私はこの手続をとりこちらでMagister(修士相当)の学位を名乗ることを目指しています。といってもこちらがやるべきことは全てやった(はず)です。ここまで来るのはとても長い道のりで、時間だけでなくお金もかなりかかってしまいました。
あまり興味がない方もいらっしゃるとは思いますが、振り返ってみました。
手続き先は大学(私の場合はウィーン大学)です。
はじめに必要になった書類
- Antragsformular ←メールでもらえました。
- Geburtsurkunde und allfällige Urkunden über Namenswechsel (z.B. Heiratsurkunde), wenn die Studiennachweise auf einen früheren Namen lauten.
- Staatsbürgerschaftsnachweis, Reisepass
- Aufenthaltstitel (ausgenommen EWR-BürgerInnen)
- Reifeprüfungszeugnis bzw. Nachweis über die allgemeine Universitätsreife
- Lebenslauf (kurz, mit besonderer Berücksichtigung des bisherigen Bildungsganges)
- Nachweis, dass die Nostrifizierung zwingend für die Berufsausübung oder für die Fortsetzung der Ausbildung des Antragstellers / der Antragstellerin in Österreich erforderlich ist. (z.B. Schreiben des Stadtschulrates,etc.)
- Urkunde, die den ausländischen Studienabschluss bestätigt
- Zeugnisse über die absolvierten Prüfungen und approbierten wissenschaftlichen Arbeiten
- Studiennachweis
- Studienbuch (Nachweis der Zulassung an der ausländischen Universität)
- Studienplan (Nachweis des Studieninhaltes des absolvierten Studiums)
- Wissenschaftliche Arbeit
- Diplom-, Magister-, Masterarbeit oder Dissertation
- Jeweils eine ca. 10-seitige deutsch-/englischsprachige Zusammenfassung
大学関連の証明書を集めるのが大変でした。日本の家族に手伝ってもらって、大学に郵送で請求して、それをEMSで送ってもらっていました。当時はEMSが利用できましたが2022年6月現在は使えないので、もっと大変ですね。
一般的なNostrifizierungの担当の方から、各部の担当職員(教授など)につないでもらうのですが、ここから先が一筋縄では行きませんでした。メールも送りましたがレスポンスが良いとは言えず、オットーに担当職員に電話をかけてもらって質問したり交渉したりしてもらいました。大学の電話の受付時間もかなり短いので、注意です。自分で電話できるくらいのドイツ語能力があればいいですが、オットーにいちいち何を聞くか説明するのも大変でした。
この過程でNostrifzierungstaxeというのを150ユーロ支払いました。
そういえば上のリストにはありませんが、ここでMotivationsschreiben(志望動機)を提出するように求められました。何かA4一枚くらいで適当に書いてオットーにいい感じに添削してもらいました。
このあと、Nostrifizierungsunterlagenを入手できました。当時はコロナのため事前にアポを取って指定された時間に向かいました。私の場合ここでBSc(学士)までは認証されましたが、Magisterのために単位取得が必要と判断されました。
学部の卒業認定
そのため、大学院への入学手続きが必要になりました。これには学部の卒業が前提条件となるため、ウィーン大学のマイページ、u:spaceの中のZulassung Beantragenで行います。
ここでも必要書類を全部アップロードします。ここで求められた書類は以下の通り。
- Nachweis gem. Personengruppenverordnung (Meldedaten, Versicherungsdatenauszug, Bestätigung über den Bezug der Familienbeihilfe)
- Heiratsurkunde
- Sprachnachweis Deutsch C1
- Nachweis gem. Personengruppenverordnung
- Aufenthaltstitel
- Notenliste/Transcripts
- Besondere Universitätsreife (“Studienplatznachweis”)
お〜い。もう提出したやつももう1回出すんか〜い。
先程のプロセスとは異なり、卒業証明書、成績証明書に関してApostilleが必要でした。
1、2、4について:修士号を取得することが許可されていることを確認するための文書を英語で大学に発行してもらうように言われたのですが、それが難しい場合は、結婚証明書、わたしとオットーさんの写真付き身分証明書、オットーさんのMeldedatenauszugを提出するように言われました(←謎)。大学にそのようなテンプレ外の文書を発行してもらうのは難しいと判断し、オットーさんに協力してもらってそのような文書を集めました。
Apostilleについて
Apostilleにも色々あるようですが
1.卒業証明書、成績証明書を外務省で公印確認、オーストリア大使館の領事認証、海外返送
2.卒業証明書、成績証明書それぞれに英文宣言書を添付して公証役場での公証人の認証、法務局長の公証人押印証明、外務省アポスティーユ
大学にも問い合わせましたがどちらでもいい感じでした(というか違いについてあまり理解してもらえなかった感じ)。なので私は2の方でお願いして、問題なく受け付けてもらえました。
Apostilleは自力で取ることも可能ですが海外在住の場合日本に住んでいる人にお願いする作業が出てきて、さらに公証役場での費用などもあるので、個人的には外注がおすすめです。
いつもお世話になっているのはこちらです。
45000円かかりました(!)が、対応も早くて信頼できます。
締め切りについて
このZulasung beantragenは一年に2回しか受け付けていないのと、一度提出したら書類の訂正に約2週間しか時間がもらえません。私は1回目に提出した書類の訂正(アポスティーユを取る)が間に合わず、半年後にもう一度申請しました。。
締切の情報はこちら。
オンライン審査の後、ビデオ通話でNostrifizierungsunterlagenを見せて確認してもらう?という謎の手順がありました。
入学手続き
このZulassung beanatragenが終わったら、入学手続き。授業料の振り込みと学生証の発行です。
どちらもオンラインで行なえます。授業料はオーストリアは無料という体なのですが、ÖHbetragという手数料を支払う必要があり、一学期でaußerordentliche Studierende の代金384,06ユーロを支払いました。
決して安くはないですよね〜。
必要単位の取得
その後は取得すべき単位のために授業や試験についての情報を集め、試験勉強をしたという感じです。試験勉強の仕方や情報収集の仕方については別の記事にしたいと思います。
そして、ついに認定のBescheid受け取り
無事単位を取得した後しばらく放置プレイでしたが、ある日SSC(StudienServiceCenter)からメールが!
認定のBescheidを受け取りに来てくださいとのことでした。
その場で日本の大学の卒業証明書にアポスティーユを押してもらいます。受け取りのサインをして、ようやく長かったプロジェクトに終止符が打たれたのでした。
ここまでにかかった時間は約2年!費用はざっと15〜20万ではないでしょうか。
おわりに
ここまででかかった時間とお金、労力は相当なものでした。
オーストリアでは肩書が割と重視されますが、それに見合うだけのものだったのか…それほどメリットがあるわけではないですしね。私の例は特にややこしいパターンだったと思いますが。もしこれからNostrifizierungをされる方がいらっしゃいましたら、メリット・デメリットを検討してみるのもいいかもしれないです…
これからNostrifisierungをされる方(もしいらっしゃれば…)、応援しています!
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